飲食店の「値上げ問題」を解決する ― 独自ポイント=自店通貨の導入提案
(ともさかエール機能反映版 / 配布資料)現金値引き運用がデフォルト

1. 背景と課題

原材料・人件費の高騰により、「価格を上げたいが顧客離れが怖い」というジレンマが広がっています。一方で大手はアプリ・共通ポイントで囲い込みを強化し、個店は価格競争に巻き込まれがちです。

よくある現状
値上げ=来店頻度↓
心理的反発が先行し、実質価値の訴求が届きにくい。
理想
値上げ × 還元 = 継続来店
実質的なお得体験で「また来よう」を創る。

2. 提案の核心 ― 「独自ポイント=自店通貨」

割引・販促に留まらず、自店内で流通する小さな通貨としてポイントを設計します。付与・利用のルールはお店が決め、価値コントロールを取り戻すのが狙いです。

主な効用① 価値コントロール

還元率・特典条件を外部サービスに依存せず、自店戦略で決定。

主な効用② 顧客囲い込み

お客様が自店ポイントを保持する限り、再来店の動機が持続。

ともさかエールが提供する現行の基本機能(ポイント関連)

運用の基本:店舗ごとに独自ポイントを発行し、基本は現金値引きとして使える設計。上限・最低利用額・有効期限などのルールは店舗ごとに設定可能。

3. メリット

値上げの心理的クッション

例:3,000円 → 3,600円に値上げ + 600円相当ポイント付与で、値上げの負担感を相殺。ウェルカムスロットや誕生日付与と組み合わせると「得した体験」が先に立つ。

リピーター育成効果

「あと少しで特典」状態が再来店を後押し。アンケート付与や紹介インセンティブが自然な回遊と推奨行動を促進。

顧客データの資産化

登録・来店・回答履歴に基づき、One to Oneの提案(例:誕生月の特典案内、好みの料理のクーポン等)が可能。

4. デメリットと留意点(リスク → 解決策)

リスク / 課題 内容 主な解決策(ともさかエール活用)
導入・運用コスト POS改修・教育・運用負荷。 スモールスタート:会員登録はLINE/Googleで簡略化。
紙→デジタルへ段階移行。まずは現金値引きルールのみで最小運用。
制度設計の難易度 還元率を誤ると利益圧迫。未使用ポイントは会計上負債。 ダッシュボードで付与率・上限・期限を管理。
ウェルカム/誕生日/アンケート/紹介の各施策は独立に強弱調整可能。
顧客利便性 共通ポイントより利用範囲が狭い。 登録・利用を徹底的に簡略化(2〜3クリック登録、会計時は「使う」タップ)。
紹介リンク・QRで「貯め先」を自店中心に誘導。
コミュニケーション 値上げ理由が伝わらないと反発。 アプリ内メッセージで「値上げ × 還元」をセットで周知。
誕生日・アンケート経由の個別体験で満足度を補強。

5. 成功への条件

  1. 目的の明確化:「常連還元」「関係性の深化」「紹介促進」を優先度順に定義。
  2. 段階的導入:初期は現金値引きに集約、KPI(再来店率、紹介経由来店、誕生日月の売上等)を観測し、付与率を微調整。
  3. 丁寧な説明:値上げ理由+還元内容を同時告知。店頭POP/アプリ内バナー/会計時トークを統一。
推奨KPI
再来店率
ポイント利用者の来店間隔・回数
推奨KPI
紹介経由売上
リンク/QR起点の新規来店と継続率
推奨KPI
誕生月売上
誕生日付与が来店をどれだけ押し上げたか

6. 結論

独自ポイント=自店通貨は、個店が価格競争から抜け、「選ばれ続ける店」になるための戦略的ツールです。

ともさかエールを使う理由: 登録〜利用が簡単(LINE/Google対応)、施策は管理画面で柔軟に調整可能。まずは小さく始めて、数値を見ながら賢く強化できます。

付録:導入ステップ(推奨)

  1. 方針決定:基本は現金値引き。初期付与率・上限・期限を仮決め。
  2. セットアップ:店舗登録/ログイン設定(LINE/Google)。POPと店内導線準備。
  3. 開始施策:ウェルカムスロット有効化、誕生日付与ON、アンケート設計、紹介リンク/QR掲示。
  4. 運用と検証:KPIを週次確認。必要に応じて当選率・付与率・上限を調整。

※ 既存POSとの連携は段階移行でOK。初期はレジ側で「ポイント値引き」コード等を用意して対応可能。